早い目の相談が社長を救う

前回は、売上減少に直面した場合に陥りがちな思考とそれによる対応の遅れが、倒産という致命的な状況に至るプロセスをお話ししました。

最悪の結果を招かないためにはどうしたらよいのでしょうか。

社長は、孤独です。心を割って話せる相手が、社内には居ないことが多いのではないでしょうか。親しい社長がいれば、経営者同士の悩みを話し合うことも可能でしょうが、見栄が邪魔したりして、ぶっちゃけ本当の所まで話せる相手は希かも知れません。

経営相談で一番残念なのが、「打つ手がない状態」にまで至っている場合です。

具体的には、リスケ等により資金を調達する手段がなく、社長からの借り入れも限界に達していて、仕入先にも無理を言って待ってもらっている。しかも、営業キャッシュフローが黒字の事業が一つもない。

こうなると本当に厳しいです。資金ショートまでの猶予時間がない上に、短時間で状況を劇的に改善する方法も、普通は見つかりません。

現金をかき集めて、とりあえず弁護士さんに相談にいってもらうしか方法がありません。

赤字が出始めた時に相談していただければ、黒字化するための対応策をご提案し、その実行を支援するだけの時間的な余裕があったのですが。

経営資源というと、「人、モノ、カネ、情報」と一般には言いますが、実は「時間」も大切な資源です。経営戦略論でも、時間概念に関係する理論として「タイムベース競争戦略」や「リアル・オプション」がありますね。

「時間」というと、効率性概念で語られることが多いですが、ここでは「先行性」に着目しています。つまり「もっと早く行動する」ということです。自分であれこれ対策が考えられる状態で、専門家に相談するということです。

「来週の手形が落とせない」という状況では、辣腕弁護士でも、打てる手はほとんどないでしょう。これが、せめて半年前であれば、会社そのものを生き残らせる手がいろいろあります。

たとえば、キャッシュを生んでいる部門を足を引っ張っている部門から切り離し、別会社として独立させる方法、いわゆる「第二会社方式」を利用することも可能です。

この方法は、別に経営が危機に瀕している会社にだけ有効なわけではなく、事業承継にも使えるツールです。儲けている会社では、別会社を作り、経費を上手に分担するなどして、利益の最大化を図ったりしています。これも広い意味では、第二会社ですね。

?キャッシュを生んでいる事業がある、?借金が過大で返済に相当の年月がかかるか、返済不能である、?第二会社の運転資金程度を出資してくれる親族、友人などがいる、こうした条件を満たすのであれば、早い目に第二会社を設立しておくのが良いと思います。

ある画期的なノウハウについてセミナーで話を聞いた人のうち、それを実行に移す人はごく少数です。

でも、あなたは実行に移す人となってください。

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