ちいさな企業の補助金活用法(4)

補助金活用で失敗するケース

補助金は精算払いが主ですから、まず支払が先行します。したがって、キャッシュがないと補助金をもらうことができません。 → キャッシュがない場合の失敗

また、せっかく費用を支出しても、そもそも補助金の対象外の費用であれば、補助金がもらえません。 → 補助対象外の費用に注意

3)成功確率は新規性と反比例

今回は、補助金活用という枠からはみ出た話になりますが、「新規事業」を対象とした補助金を狙う場合は、心得ておきましょう。

公募補助金の場合には、公平な選定を行うために、選定基準があらかじめ公表されているのが普通です。おおさか地域創造ファンドの地域支援事業助成金では、公募要領に次のように明示しています(以下は、豊能地域の場合です)。

  1. 新規性
  2. 市場性
  3. 成長性
  4. 革新性
  5. 実現可能性
  6. 地域活性化への波及効果

「あらたな取り組み」を応援する助成金ですから、「新規性」が最初にあげられています。「世界初」や「日本初」とまではいわないまでも、「大阪府初」程度の新規性が求めらます。

次の図をご覧ください。

 

この図は、「新規事業」の類型を、その事業に必要な技術・ノウハウとその事業のターゲット市場とで4つに分類したものです。

補助金に応募いただく事業の多くが、その企業にとって、技術的に新しい取り組みであったり、新たな市場への進出であったり、場合によっては両方であったりします。上図の「△」や「×」の領域です。

新たな技術の開発や新たな市場の開拓こそ、リスクが高く、また成功したときのリターンも大きい。このような事業こそ、補助金で応援するのにふさわしと考えます。もちろん、うまくいくかどうか全く予測不可能な事業は、「実現可能性」というハードルに引っかかりますから、ダメですが、一定の見込があれば、選定されやすいといえます。

しかし、結果としてそのような事業はなかなかうまくいかないのです。

最悪なのが、その企業にとって、技術も新しく、市場も新しいような場合です。一部の例外を除いて、このタイプの事業は、少なくとも数年ではモノにならないことが多いです。

また、「既存市場に新たな技術で新しいビジネスを導入する」場合や「既存技術で新しい市場を開拓する場合」も、なかなか成功事例が生まれていません。

経営資源が非常に限られたちいさな企業における新規事業の取り組みは、やはり既存の技術と既存の市場をメインに考えるべきでしょう。

新たなことに挑戦することは、経営者にとって最も大切なことです。松下幸之助さんも「日々新たに」とおっしゃっています。

しかし、この新しさというのは、全く違う分野に進出したり、違う市場に進出することではなく、今、日常的に取り組んでいる仕事を新たな視点で見直すことの大切さを意味しています。

これこそが、ちいさな企業が飛躍する原動力だと思います。

次回から、自社の既存の技術・市場を大切にして、かつ新たな取り組みにチャレンジして成功した例を、具体的にご紹介していきましょう。