補助金・助成金5つの留意事項

ものづくり補助金や創業補助金について、お問い合わせや支援のご相談を多く受けています。

私は、おおさか地域創造ファンド地域支援事業助成金による新規事業支援に6年間たずさわっています。その経験から、ビジネスプランの策定、応募申請書の作成、ブラッシュアップ、書類審査通過のポイント、そして採択後の採択事業の進め方のポイントと助成対象経費の上手な使い方など、補助金や助成金活用のノウハウを蓄積してきました。

今回多くの方からお問い合わせやご相談を受けて、改めて補助金・助成金活用上の留意点についてまとめておきます。

1)応募要件の確認について

補助金や助成金に応募出来るかどうか判断に悩まれる場合が多いと思います。まずは、募集要項を入手し(今は、ネットから簡単にダウンロード出来ますね)、「補助対象者」や「補助対象事業」を確認してください。

とは言っても、「確認したが自分が応募出来るのか」「自社で取り組もうとしている事業が対象となるのか」などイマイチ確信が持てない、という場合も多いようです。

この場合には、補助金・助成金の事務局に問い合わせるのが一番確実です。

補助対象者」や「補助対象事業」については、幅広く解釈する傾向にありますので、自分で勝手に「対象外」と判断せずに、まずは事務局に問い合わせてみることをお薦めします。

2)応募申請書の作成について

読み手(書類審査をする人。私の担当している助成金では「選定委員」です。)を想定して書きましょう。公募する補助金・助成金の主旨にふさわしい選定委員を選んでいるはずですが、あなたが応募申請書に記載している専門用語を知っているかは不明です。

業界内では常識的な言葉でも、その業界に疎い方には「意味不明」かもしれません。

ついつい自分のレベルで書いてしまいがちですが、読み手を意識しましょう。

簡単なチェック方法としては、第三者に読んでもらうのがいいですね。

3)成功確率について

事業が成功するかどうかは不確定要素が多いわけですから、乱暴に言えば「やってみなくてはわからない」ということです。

ただし、公的な補助金・助成金を出す側からすれば、支援した事業が成功して欲しいですから、成功確率が高そうな事業を選びたいものです。

私が助成金で支援してきた経験からは、「社長や会社がマーケット(市場やターゲット)をよく知っている事業」か「社長や会社の強みをベースとした事業」が成功確率が高い、つまり実現可能性の高い事業といえます。

4)実現可能性について

公的な補助金・助成金の多くは「精算払い」です。つまり「1,000万円の補助金」をもらうには、仮に「補助率2/3」であれば1,500万円を、おおさか地域創造ファンド地域支援事業助成金のように「助成率1/2」であれば、2,000万円を、立て替え払いしなければなりません。

直近の決算で営業赤字状態であれば、本業での余裕資金は全くないことになります。このような決算状態の会社の場合、立て替え払いしなければならない事業資金をどのように調達するのかが気になります。

ですから事業資金の調達方法について、具体的に書いておく必要があります。

立て替え払いのお金が調達出来なければ、補助対象事業そのものを実施できないわけですから、「資金調達の裏付け」が実現可能性のベースとなります。

また、リスケ状態の会社は、新規の融資を受けることが困難です。「リスケしているから補助金を受けられない」というルールはありませんが、資金調達が困難な会社の「新規事業」はとてもリスクが大きいです。

補助金・助成金をあてに、無理して新規事業に取り組んで失敗した場合、会社存続が危うい結果になりかねません。

資金的に厳しい会社の場合は、補助金・助成金に応募するより、「経営改善計画」を立案することを優先しましょう。

5)事務負担について

毎年4月の上旬は、担当している助成金の確定検査で日々助成対象事業者を訪問しています。

補助金・助成金の対象経費について、見積書(合い見積もりが原則)、発注書、納品書、請求書、支払のエビデンス(原則指定口座振込)、預金通帳のチェック(キックバックの可能性があるため、資金の動きを細かくチェックします)、現物の確認などを行っています。

少額の支払いでも同様です。したがって、1件数十万円、数百万円というような経費であっても、数千円という経費であっても、準備しなければいけない書類はほぼ同じです。

補助金・助成金を少しでも多く欲しいと思うのは、誰しも同じですが、書類やエビデンスの整理・保存にかかる労力は、かなりのものになります。

「ちいさな企業でも補助金・助成金を活用しやすくする」というのが国の方針ですので、簡素化されていくとは思いますが、原資は「税金」ですから、どこまで緩くなるかは未知数ですね。

普段から経理業務がしっかりできている会社は大丈夫ですが、そうでない会社やそうしたことが苦手な会社の場合、かなりの負担となるようです。

こうした面に不安の社長や会社は、補助金・助成金を受けることをきっかけに、会社の購買プロセスや経理処理プロセスを整備してみてはいかがですか。

以上、補助金・助成金を有効活用するための5つの留意事項です。