2009年7月20日、蘇州――黒い太陽を追って中国へ

上海皆既日食を観測する旅に出発しました。翌々日の7月22日に見られる皆既日食は、サロス136の第37回目に当たります。1991年7月11日にメキシコで観測した皆既日食から、1サロス、約18年11日8時間後の日食です。皆既帯は、インドから中国、日本のトカラ列島付近を経て、太平洋を横断しました。

日本国内で皆既日食が見られるのは、1963年7月に北海道で観測されて以来、実に46年ぶりでした。そのため、この皆既日食は日本でも大きな話題になりました。私にとっては、1991年にメキシコで見た黒い太陽を、1サロス後に再び追う旅でした。

中国で見た皆既日食の日食帯(出典:NASA Eclipse Web Site)中央の二本の青い線に挟まれた範囲で、皆既日食が見られます。

今回は、国際航空旅行サービス株式会社の日食観測ツアーに参加しました。
関西国際空港を午前9時25分、中国国際航空CA164便で出発し、上海には現地時間の午前10時55分に到着。空港からチャーターバスで江南の古都・蘇州へ向かい、寒山寺と留園を見学しました。最後に、伝統工芸である蘇州刺繍の工房に立ち寄り、この日は蘇州のホテルに宿泊しました。

上海浦東国際空港に到着。空港からチャーターバスで蘇州に向かいました。
蘇州では、最初に寒山寺を訪れました。唐代の詩人・張継の漢詩「楓橋夜泊」に詠まれたことで知られる古刹です。訪れた当時、私はこの詩と寒山寺との関係をよく知りませんでした。
寒山寺周辺の水路と石橋です。「楓橋夜泊」の舞台として知られる一帯ですが、この橋の名称は確認できていません。
次に留園を訪れました。池、建物、樹木、奇岩を組み合わせた蘇州古典庭園の代表作で、1997年に「蘇州古典園林」の構成資産として世界遺産に登録されています。訪れた当時は皆既日食にばかり気を取られ、庭園の由来や見どころをほとんど知らないまま歩いていました。今になって写真を見返すと、少しもったいない見学だったと思います。
写真中央に立つ奇岩は、留園を代表する太湖石「冠雲峰」です。高さは約6.5メートルあり、複雑な穴やくぼみをもつ独特の姿をしています。訪れた当時は名前も由来も知りませんでしたが、今回、記事を作成するために写真を見直して、留園を代表する見どころだったことを知りました。
留園の見学後、蘇州刺繍の工房を訪れました。館内には、蘇州の伝統工芸である蘇繍の作品が展示され、職人が制作する様子も見学しました。