1991年7月11日、ロスカボスの黒い太陽
この日、バハ・カリフォルニア半島の南端にあるロスカボスで、生まれて初めて皆既日食を見ました。小学生の頃、天文図鑑で日食について知って以来、いつか自分の目で見たいと思っていました。その願いがかなうまでに、20年以上の年月が流れていました。
この皆既日食は、サロス136に属する第36番目の日食です。下の日食帯地図に示すように、月の影はハワイ諸島付近から太平洋を東へ進み、バハ・カリフォルニア半島からメキシコ本土を横断しました。その後、中米、コロンビア、ブラジルへと進み、日没とともに終わりました。
皆既の継続時間は最長6分53秒に達する、非常に長い皆既日食でした。私たちが観測したロスカボス周辺でも、太陽がほぼ頭上にある状態で、約6分間にわたって皆既を見ることができました。
快晴の空の下、太陽が月に完全に隠されると、周囲は急速に暗くなり、地平線近くが夕焼けのように赤く染まりました。その上に浮かぶコロナに縁どられた黒い太陽の幻想的な光景は、35年近くが過ぎた今も鮮明に覚えています。

この日は、午前2時ごろホテルロビーに集合し、ロサンゼルスの空港へ向かいました。そこからアメリカン・トランス・エア航空のチャーター便に乗り、ロスカボス空港まで飛びました。
現地では、地元の小学校が観測地として用意されていました。校庭には望遠鏡やカメラが並び、参加者たちは皆既の瞬間に備えて準備を進めていました。私たちは校庭から少し離れた小高い丘へ移動し、そこで皆既日食を観測しました。




